フラのカヒコとは?
フラには古典フラの「カヒコ」と現代フラの「アウアナ」の2種類があります。
古い時代のハワイのフラは、ほとんどが曲はなく、楽器の音や人の声に合わせて踊ります。
カヒコはハワイで昔から伝えられてきた伝統の踊りで、神様への奉げる神聖な踊りでもあります。
オリやチャントと呼ばれる詠唱をしたあと、メレと呼ばれる歌に合わせて踊る形式が多いです。
ハワイには文字がなく、伝える手段が口頭でしかありませんでした。
後世に伝えていくためにオリやチャント、フラに様々な歴史や土地の背景などを記憶させて、伝え、受け継いできたとも言われます。
カヒコでは、歌い手の叩くイプへケやパフと呼ばれる打楽器などでリズムをとり、オリやメレに合わせて踊ります。
イプへケとは、ヒョウタンの中身をくりぬいて作られた楽器で、今でもハワイでは手作りで作られています。床に打ち付けて拍子をとり、側面を手でたたいてリズムを出します。
パフは大型の太鼓で、ココナッツの木をくりぬき、サメや牛の皮を張って太鼓にします。
カヒコで使う楽器には、石を片手に二つずつ持ってカスタネットのように鳴らして使うイリイリや、イプへケの小さいサイズのイプ、長さ50cmほどの竹に切れ目を入れ両手に持って叩いて音を出すプイリや、ヤシの実をくりぬいた中に実や種を入れてマラカスのように音を出すウリウリなどで、これらを持って鳴らしながら踊ります。
飾りは植物の花や葉っぱを使って自分たちで編んだり作ったりしたものを使います。
衣装は、花柄は使わず、自然物の形や意味をもたせた幾何学模様か無地です。
今でもカヒコを踊るときは、昔のハワイの伝統を守り、それを受け継いでいくためにも、生地を染めるときも自然の植物を使ったり、模様も自然の木や葉っぱの形をスタンプしたりと、自然の形を利用しながら工夫しています。
カヒコの特徴である人の声は、声を響かせる発声法でとても神秘的で厳かな雰囲気が感じられます。
昔のカヒコは神や王に捧げる踊りのため、選ばれた男性しか踊ることができませんでした。今では女性も踊っていますが、男性のカヒコの踊りは、昔を思わせる、息をのむような力強さを感じられます。
最近ではかなり緩くはなってはいますが、宗教的な行為としてカヒコをマラエ(祭壇)に奉納することもあります。
カヒコはこういった厳格なルールのなかで踊るからこそ、踊っている姿は勇敢で厳格な印象を与えてくれます。